2003年ベストコンサート

 そろそろ年末ということで、どこのサイトでも恒例の「今年のベスト」シリーズを。まずは音楽から。今年は本当に有名なものだけを妻に選んでもらっただけで、コンサートホールに行ったのは10回ちょっと。そこから今年のベストを選ぶというのもおこがましいのですが、個人の日記ということで読み流して下さい。

 さて、妻にコンサートに連れていかれるだけで真正クラシックファンでは無い私としては、ヨーヨーマの「Obrigado Brazil」 (at Barbican on the 14th of June)をベストとしたいです。
 協奏曲のように格調高い美しい曲から定番ボサノバ、そして軽やかなショーロの曲まで チェロってこんなに自由な楽器だったのと驚き!アサド兄弟のギター、流れるようなピアノ、情感溢れるクラリネットも文句無し。何よりヨー・ヨー・マが、曲の途中で嬉しそうにマラカスを振る場面もあったりと本当に楽しそうに演奏していて、こちらも幸せな気分に。CDも発売されていますが、やっぱりラテンミュージックは生で聴くのが一番。

 また、プロムス*1ウィーン・フィルをジャズシンガーのBobby McFerrin が指揮した異色の取り合わせ*2も取り上げておきたいです。演目は休日マチネということで子供も退屈しないお馴染みのもので、「ウィーン・フィルならでは」の凄さがあまり活かされていなかったように感じましたが、Bobby McFerrin の隠し芸的な即興もあり*3、十分楽しませてもらいました。
 けれども私がここで書きたいのはアンコールのこと。高らかにファンファーレが鳴り、すぐにウィーン・フィルのアンコールではお馴染みの「ウィリアムテル序曲」と分かりましたが、その直後会場は大爆笑に。というのはファンファーレの後、突然ウィーンフィルの各メンバーが自分のパートを歌い出したからです。一人一人の演奏者が自分の楽器を弾く時と同じように本当に真剣に歌っていて、しかも正確な音程とエクスプレッション!笑いながらもウィーンフィルの底力を見た思いでした。最後はほぼ全員のスタンディングオベーション。これぞプロムス。

*1:毎年7月から9月にロイヤル・アルバート・ホールで行われるクラシック音楽の祭典。特にラストナイトは異常な盛り上りを見せることで有名。

*2:on the 7th of September, Prokofiev Symphony No.1 D major, 'Classical', Mozart Symphony No.25 in Gminor, Vivaldi Concherto in G minor for two cellos and orchestra, RV 531, Bobby McFerrin Solo Improvisations, Dukas The Sorcerer's Apprentice, Ravel Bolero

*3:右手で胸を叩いてベースを作りながらマイクを上手に利用してとても1人で歌っているようには聴こえませんでした