「play without words」National Theatre

Play without words

 複数で一役をやる独特のスタイルのダンス劇で、これをバレエのカテゴリに入れていいか悩むところ。昨年に同じ場所で初演されて、2003年のOlivier*1のベストエンターテイメント賞を受賞。この12月から再演が始まったところですが、受賞も納得の素晴らしい(玄人受けしそうな)舞台でした。タイトル通り台詞は一切ないので、英語の苦手な人にもお薦め。
 複数が一役をやる効果は意外と高く、単に物量が増えるだけでなく、同じシーンでも複数のバリエーションが同時に行えるとか、時間をずらして移動をいっぺんに表現出来る(一人は外を歩き、一人は玄関で、一人は既に家の中で友人と会話を始めている等)なんて面白さがありました。
 セクシュアルなシーンが多いため重要な女性陣の魅力も不満はなく、その他演出も素晴らしい出来。しかし一方で終わってみると、期待した高揚感に欠ける部分があり、なんとなく不完全燃焼気味で観客の反応も冷めていました。今ロンドンで見るべき舞台に文句無く挙げますが、この点で4つ星にとどめておきます。(★★★★☆)

*1:Lawrence Olivier Award: ロンドンのシアターシーンで最も権威ある賞